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の故に。是れを「出第五門」と名づく」(論)とのたまえり」と。已上
 光明寺の和尚(善導)の云わく(散善義)、「又、回向発願して生まるる者は、必ず決定真実心の中に回向したまえる願を須いて得生の想を作す。此の心、深く信ぜること、金剛の若くなるに由りて、一切の異見・異学・別解・別行の人等の為に動乱破壊せられず。唯是れ決定して一心に捉りて正直に進みて、彼の人の語を聞くことを得ざれ。即ち進退の心有りて、怯弱を生じ回顧すれば、道に落ちて即ち往生の大益を失するなり」と。已上

 真に知りぬ。二河の譬喩の中に、「白道四五寸」と言うは、「白道」は、「白」の言は黒に対するなり。「白」は即ち是れ選択摂取の白業、往相回向の浄業なり。「黒」は即ち是れ無明煩悩の黒業、二乗人天の雑善なり。「道」の言は路に対せるなり。「道」は則ち是れ本願一実の直道、大般涅槃無上の大道なり。「路」は則ち是れ二乗・三乗・万善諸行の小路なり。「四五寸」と言うは、衆生の四大・五陰に喩うるなり。
 「能生清浄願心」と言うは、金剛の真心を獲得するなり。本願力回向の大信心海なるが故に破壊すべから

漢文

真知。二河譬喩中、言白道四五寸者、白道者、白之言対黒也。白者即是選択摂取之白業、往相回向之浄業也。黒者即是無明煩悩之黒業、二乗人天之雑善也。道之言対路。道者則是本願一実之直道、大般涅槃無上之大道也。路者則是二乗・三乗・万善諸行之小路也。言四五寸者喩衆生四大五陰也。
言能生清浄願心者、獲得金剛真心也。本願力回向大信心海故不可破壊。喩之