巻次 信 302頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 仏の言わく、「大王。善いかな、善いかな。我今、汝、必ず能く衆生の悪心を破壊することを知れり。」 「世尊。若し我、審らかに能く衆生の諸の悪心を破壊せば、我、常に阿鼻地獄に在りて無量劫の中に諸の衆生の為に苦悩を受けしむ。以て苦とせず。」 爾の時に摩伽陀国の無量の人民、悉く阿耨多羅三藐三菩提心を発しき。是くの如き等の無量の人民、大心を発するを以ての故に、阿闍世王所有の重罪、即ち微薄なることを得しむ。王及び夫人・後宮采女、悉く皆同じく阿耨多羅三藐三菩提心を発しき。 爾の時に阿闍世王、耆婆に語りて言わまく、「耆婆。我今、未だ死せざるに已に天身を得たり。短命を捨てて長命を得、無常の身を捨てて常身を得たり。諸の衆生をして阿耨多羅三藐三菩提心を発せしむ。」乃至 諸仏の弟子、是の語を説き已りて、即ち種種の宝幢を以て、乃至 復た偈頌を以て讃嘆して言さく、実語、甚だ微妙なり。善巧、句義に於いて、甚深秘密の蔵なり。衆の為の故に、所有広博の言を顕示す。衆の為の故に略して説かく。是くの如きの語を具足して、善能く衆生を療す。若し諸の衆生有りて、是の語を聞くことを得る者は、 紙面画像を印刷 前のページ p302 次のページ 初版p265・266へ このページの先頭に戻る