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持せられたり。云何が思議することを得べきや。「住」は不異不滅に名づく。「持」は不散不失に名づく。不朽薬を以て種子に塗りて、水に在くに蘭れず、火に在くに燋れず。因縁を得て、即ち生ずるが如し。何を以ての故に。不朽薬の力なるが故なり。若し人、一たび安楽浄土に生ずれば、後の時に、意、三界に生まれて衆生を教化せんと願じて、浄土の命を捨てて願に随いて生を得て、三界雑生の火の中に生まると雖も、無上菩提の種子、畢竟じて朽ちず。何を以ての故に。正覚阿弥陀の善く住持を逕るを以ての故にと。
 「荘厳眷属功徳成就は、偈に「如来浄華衆 正覚華化生」の故にと言えり。」(論)此れ云何ぞ不思議なるや。凡そ是れ雑生の世界には、若しは胎、若しは卵、若しは湿、若しは化、眷属若干なり。苦楽万品なり。雑業を以ての故に。彼の安楽国土は、是れ阿弥陀如来正覚浄華の化生する所に非ざること莫し。同一に念仏して別の道無きが故に。遠く通ずるに、夫れ四海の内、皆、兄弟とするなり。眷属無量なり。焉んぞ思議すべきや。」
 又言わく(論註)、「往生を願う者、本は則ち三三の品なれども、今は一二の殊無し。亦淄澠 食陵の反 の一味なるが如し。焉んぞ思議すべきや。」
 又『論』(論註)に曰わく、「「荘厳清浄功徳成就は、偈に「観彼世界相 勝過三界道」の故にと言えり。」(論)此れ云何ぞ不思議なるや。凡夫人の煩悩成就せる有りて、亦彼の浄土に生ずることを得れば、三界の繫業、畢竟じて牽かず。則ち是れ煩悩を断ぜずして涅槃分を得。焉んぞ