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ば、当に此の三種の障碍を遠離すべしとなり。
 「向に無染清浄心・安清浄心・楽清浄心を説きつ。此の三種の心は、略して一処にして妙楽勝真心を成就したまえりと知る応し」(論)とのたまえり。楽に三種有り。一には外楽、謂わく、五識所生の楽なり。二には内楽、謂わく、初禅・二禅・三禅の意識所生の楽なり。三には法楽 五角の反 楽 魯各の反、謂わく、智慧所生の楽なり。此の智慧所生の楽は、仏の功徳を愛するより起これり。是れは遠離我心と遠離無安衆生心と遠離自供養心と、是の三種の心、清浄に増進して、略して「妙楽勝真心」とす。「妙」の言は、其れ好なり。此の楽は仏を縁じて生ずるを以ての故に。「勝」の言は、三界の中の楽に勝出せり。「真」の言は、虚偽ならず、顚倒せざるなり。
 願事成就は、「是くの如き菩薩は、智慧心・方便心・無障心・勝真心をもって、能く清浄仏国土に生ぜしめたまえりと知る応し」(論)とのたまえり。「応知」は、謂わく、此の四種の清浄の功徳、能く彼の清浄仏国土に生ずることを得しむ。是れ他縁をして生ずるには非ずと知る応しとなり。