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 「是れを「菩薩摩訶薩、五種の法門に随順して、所作、意に随いて自在に成就したまえり」と名づく。向の所説の如き身業・口業・意業・智業・方便智業、法門に随順せるが故に」(論)とのたまえり。「随意自在」は、言うこころは、此の五種の功徳力、能く清浄仏土に生ぜしめて出没自在なるなり。「身業」は礼拝なり。「口業」は讃嘆なり。「意業」は作願なり。「智業」は観察なり。「方便智業」は回向なり。此の五種の業和合せり。則ち是れ往生浄土の法門に随順して、自在の業成就したまえりと言えりと。
 利行満足は、「復た五種の門有りて、漸次に五種の功徳を成就したまえりと知る応しと。何者か五門。一には近門、二には大会衆門、三には宅門、四には屋門、五には園林遊戯地門なり」(論)とのたまえり。此の五種は、入出の次第の相を示現せしむ。入相の中に、初めに浄土に至るは、是れ近相なり。謂わく、大乗正定聚に入るは、阿耨多羅三藐三菩提に近づくなり。浄土に入り已るは、便ち如来の大会衆の数に入るなり。衆の数に入り已りぬれば、当に修行安心の宅に至るべし。宅に入り已れば、当に修行所居の屋宇 尤挙の反 に至るべし。修行成就し已りぬれば、当に教化地に至るべし。教化地は即ち是れ菩薩の自娯楽の地なり。是の故に出門を「園林遊戯地門」と称すと。
 「此の五種の門は、初めの四種の門は入の功徳を成就したまえり。第五門は出の功徳を成就したまえり」(論)とのたまえり。此の入出の功徳は、何者か是れや。