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真仏土
371頁
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 須菩提、仏に白して言さく、「世尊。若し世間の法、是れ化なりや、出世間の法、亦是れ化なりやと。謂わゆる、四念処・四正勤・四如意足・五根五力・七覚分・八聖道分・三解脱門・仏十力・四無所畏・四無碍智・十八不共法、幷びに諸法の果及び賢聖人、謂わゆる、須陀洹・斯陀含・阿那含・阿羅漢・辟支仏・菩薩摩訶薩・諸仏世尊、是の法、亦是れ化なりや不や」と。
 仏、須菩提に告げたまわく、「一切の法、皆是れ化なり。是の法の中に於いて、声聞の法の変化有り。辟支仏の法の変化有り。菩薩の法の変化有り。諸仏の法の変化有り。煩悩の法の変化有り。業因縁の法の変化有り。是の因縁を以ての故に、須菩提、一切の法、皆是れ化なり」とのたまえり。
 須菩提、仏に白して言さく、「世尊。是の諸の煩悩断は、謂わゆる、須陀洹果・斯陀含果・阿那含果・阿羅漢果・辟支仏道は、諸の煩悩の習を断ず。皆是れ変化なりや不や」と。
 仏、須菩提に告げたまわく、「若し法の生滅の相有るは、皆是れ変化なり」とのたまえり。
 須菩提言さく、「世尊。何等の法か、変化に非ざる」と。
 仏の言わく、「若し法の無生無滅なる、是れ変化に非ず」と。
 須菩提言さく、「何等か是れ不生不滅にして変化に非ざる」と。