巻次
真仏土
372頁
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 仏の言わく、「誑相無き涅槃、是の法、変化に非ず」と。
 「世尊。仏自ら説きたまうが如き、諸法平等にして、声聞の作に非ず、辟支仏の作に非ず、諸の菩薩摩訶薩の作に非ず、諸仏の作に非ず、有仏・無仏、諸法の性、常に空なり。性空なる、即ち是れ涅槃なり。云何ぞ涅槃の一法、化の如くに非ざる」と。
 仏、須菩提に告げたまわく、「是くの如し、是くの如し。諸法は平等にして、声聞の所作に非ず、乃至性空なれば即ち是れ涅槃なり。若し新発意の菩薩、是の一切の法、皆、畢竟じて性空なり、乃至涅槃も亦、皆、化の如しと聞かば、心則ち驚怖しなん。是れ新発意の菩薩の為に、故らに生滅の者は化の如し、不生不滅の者は化の如きに不ざるをと分別するをや。」」
 今既に斯の聖教を以て験らかに知りぬ。弥陀は定んで是れ報なり。縦使い後に涅槃に入らん、其の義、妨無けん。諸の有智の者、知るべしと。
 問うて曰わく、彼の仏及び土、既に「報」と言わば、報法高妙にして、小聖、階い難し。垢障の凡夫、云何が入ることを得んや。
 答えて曰わく、若し衆生の垢障を論ぜば、実に欣趣し難し。正しく仏願に託するに由りて、以て強縁と作りて五乗斉しく入らしむることを致す」と。
 又云わく(序分義)、「「我今楽生弥陀」(観経)より已下は、正しく、夫人、別して所求を選ぶことを明かす。此れは弥陀の本国四十八願なることを明かす。願願皆、増上の勝因を発せり。因に