巻次
化本
404頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
漢文
画像情報
画像情報
本文

多福徳因縁」と説き、『釈』(法事讃)には「九品、倶に回して不退を得よ」と云えり。或いは「無過念仏往西方 三念五念仏来迎」と云えり。此れは是れ、此の『経』の顕の義を示すなり。此れ乃ち真門の中の方便なり。
 「彰」と言うは、真実難信の法を彰す。斯れ乃ち不可思議の願海を光闡して、無碍の大信心海に帰せしめんと欲す。良に、勧、既に恒沙の勧なれば、信も亦恒沙の信なり。故に「甚難」(阿弥陀経)と言えるなり。『釈』(法事讃)に「直ちに弥陀の弘誓重なれるに為りて、凡夫念ずれば、即生せしむることを致す」と云えり。斯れは是れ、隠彰の義を開くなり。
 『経』(阿弥陀経)に「執持」と言えり。亦「一心」と言えり。「執」の言は、心堅牢にして移転せざることを彰すなり。「持」の言は不散不失に名づくるなり。「一」の言は無二に名づくるの言なり。「心」の言は真実に名づくるなり。

漢文

縁、」『釈』云「九品倶回得不退。」或云「無過念仏往西方 三念五念仏来迎。」此是此『経』示顕義也。此乃真門中之方便也。
言彰者、彰真実難信之法。斯乃光闡不可思議願海、欲令帰無碍大信心海。良勧、既恒沙勧、信亦恒沙信。故言「甚難」也。『釈』云「直為弥陀弘誓重致使凡夫念即生。」斯是開隠彰義也。
『経』言「執持。」亦言「一心。」執言彰心堅牢而不移転也。持言名不散不失也。一之言者名無二之言也。心之言者名真実也。