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なり。故に「徳本」と曰うなり。
 然れば則ち、釈迦牟尼仏は、功徳蔵を開演して、十方濁世を勧化したまう。阿弥陀如来は、本、果遂の誓〔此の果遂の願は二十願なり。〕を発して、諸有の群生海を悲引したまえり。既にして悲願有す。「植諸徳本の願」と名づく、復た「係念定生の願」と名づく、復た「不果遂者の願」と名づく、亦「至心回向の願」と名づくべきなり。

 是を以て『大経』の願に言わく、「設い我、仏を得たらんに、十方の衆生、我が名号を聞きて、念を我が国に係けて諸の徳本を植えて、心を至し回向して我が国に生まれんと欲わん。果遂せずは、正覚を取らじ」と。
 又言わく(大経)、「此の諸智に於いて疑惑して信ぜず。然るに猶、罪福を信じて善本を修習して其の国に生まれんと願ぜん。此の諸の衆生、彼の宮殿に生まる」と。
 又言わく(大経)、「若し人、善本無ければ、此の経を聞くことを得ず。清浄に戒を有てる者、

漢文

本也。
然則釈迦牟尼仏、開演功徳蔵勧化十方濁世。阿弥陀如来、本発果遂之誓悲引諸有群生海。既而有悲願。名植諸徳本之願、復名係念定生之願、復名不果遂者之願、亦可名至心回向之願也。