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大聖の自説なり。

 『大論』(大智度論)に四依を釈して云わく、「涅槃に入りなんと欲せし時、諸の比丘に語りたまわく、「今日より、法に依りて人に依らざるべし。義に依りて語に依らざるべし。智に依りて識に依らざるべし。了義経に依りて不了義に依らざるべし」と。「法に依る」とは、法に十二部有り、此の法に随うべし。人に随うべからず。「依義」とは、義の中に好悪・罪福・虚実を諍うこと無し。故に語は已に義を得たり。義は語に非ざるなり。人、指を以て月を指う。以て我を示教するに、指を看視して月を視ざるが如し。人、語りて言わん、「我、指を以て月を指う。汝をして之を知らしむ。汝、何ぞ指を看て月を視ざるや」と。此れ亦是くの如し。語は義の指とす。語は義に非ざるなり。此れを以ての故に語に依るべからず。「依智」とは、智、能く善悪を籌量し分別す。識は常に楽を求む。正要に入らず。是の故に「不応依識」と言えり。「依了義経」とは、一切智人有す、仏第一なり。一切諸経書の中に仏法第一なり。一切衆の中に比丘僧第一なり。無仏世の衆生を、仏、此れを重罪としたまえり。見仏の善根を種えざる人なり」と。已上

 爾れば末代の道俗、善く四依を知りて法を修すべきなりと。
 然るに、正真の教意に拠りて、古徳の伝説を披く。聖道・浄土の真・仮を顕開して、邪偽異執の外教

漢文

自説也。


爾者末代道俗、善可知四依修法也。
然拠正真教意、披古徳伝説。顕開聖道浄土真仮、教誡邪偽異執外教。勘決如来