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 爰に久しく願海に入りて、深く仏恩を知れり。至徳を報謝せん為に、真宗の簡要を摭うて、恒常に不可思議の徳海を称念す。弥いよ斯れを喜愛し、特に斯れを頂戴するなり。
 信に知りぬ。聖道の諸教は、在世・正法の為にして、全く像末・法滅の時機に非ず。已に時を失し、機に乖けるなり。浄土真宗は、在世・正法・像末・法滅、濁悪の群萌、斉しく悲引したまうをや。
 是を以て経家に拠りて師釈を披きたるに、「説人の差別を弁ぜば、凡そ諸経の起説、五種に過ぎず。一には仏説、二には聖弟子説、三には天仙説、四には鬼神説、五には変化説なり。」
 爾れば四種の所説は信用に足らず。斯の三経は則ち

漢文

爰久入願海、深知仏恩。為報謝至徳、摭真宗簡要、恒常称念不可思議徳海。弥喜愛斯、特頂戴斯也。
信知。聖道諸教、為在世・正法而、全非像末・法滅之時機。已失時乖機也。浄土真宗者、在世・正法・像末・法滅、濁悪群萌、斉悲引也。
是以拠経家披師釈、「弁説人差別者、凡諸経起説、不過五種。一者仏説、二者聖弟子説、三者天仙説、四者鬼神説、五者変化説。」
爾者四種所説不足信用。斯三経者則大聖