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 悲しきかな、垢障の凡愚、無際より已来、助・正間雑し、定散心雑するが故に、出離、其の期無し。自ら流転輪回を度るに、微塵劫を超過すれども、仏願力に帰し叵く、大信海に入り叵し。良に傷嗟すべし、深く悲歎すべし。
 凡そ大小聖人、一切善人、本願の嘉号を以て己が善根とするが故に、信を生ずること能わず、仏智を了らず、彼の因を建立せることを了知すること能わざる故に、報土に入ること無きなり。
 是を以て愚禿釈の鸞、論主の解義を仰ぎ、宗師の勧化に依りて、久しく万行諸善の仮門を出でて、永く双樹林下の往生を離る。善本・徳本の真門に回入して、偏に難思往生の心を発しき。然るに今、特に方便の真門を出でて、選択の願海に転入せり。速やかに難思往生の心を離れて、難思議往生を遂げんと欲う。果遂の誓、良に由有るかな。

漢文

悲哉、垢障凡愚、自従無際已来、助正間雑定散心雑故、出離無其期。自度流転輪回、超過微塵劫、叵帰仏願力、叵入大信海。良可傷嗟、深可悲歎。
凡大小聖人一切善人、以本願嘉号為己善根故、不能生信、不了仏智、不能了知建立彼因故、無入報土也。
是以愚禿釈鸞、仰論主解義、依宗師勧化、久出万行諸善之仮門、永離双樹林下之往生。回入善本徳本真門、偏発難思往生之心。然今特出方便真門、転入選択願海。速離難思往生心、欲遂難思議往生。果遂之誓、良有由哉。