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と。已上
聖言・論説、特に用て知りぬ。凡夫回向の行に非ず。是れ大悲回向の行なるが故に「不回向」と名づく。誠に是れ、選択摂取の本願、無上超世の弘誓、一乗真妙の正法、万善円修の勝行なり。
『経』（大経）に言わく、「乃至」は上下を兼ぬるなり、中を略するの言なり。「一念」と言うは、即ち是れ専念なり。専念は即ち是れ一声なり。一声は即ち是れ称名なり。称名は即ち是れ憶念なり。憶念は即ち是れ正念なり。正念は即ち是れ正業なり。復た「乃至一念」とは、是れ更に観想・功徳・遍数等の一念を言うには非ず。往生の心行を獲得する時節の延促に就きて、「乃至一念」と言うなり。知るべし。
「浄信」と言うは、則ち利他深広の信心なり。即ち是れ念仏往生の願より出でたり。亦「至心信楽の願」と名づく。復た「往相信心の願」と名づくべきなり。
聖言･論説、特用知。非凡夫回向行。是大悲回向行故名不回向。誠是選択摂取之本願、無上超世之弘誓、一乗真妙之正法、万善円修之勝行也。
『経』言「乃至」者兼上下、略中之言。言「一念」者即是専念。専念即是一声。一声即是称名。称名即是憶念。憶念即是正念。正念即是正業也。復「乃至一念」者、是更非言観想･功徳･遍数等之一念。就獲得往生心行時節延促、言「乃至一念」也。応知。
言浄信者則利他深広信心也。即是出於念仏往生之願。亦名至心信楽之願。復可名往相信心之願。
