巻次
-
486頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
漢文
画像情報
画像情報
本文

獲る所を慶びて、真言を探り集め、師釈を鈔出して、専ら無上尊を念じて、特に広大の恩を報ず。

 茲れに因りて、曇鸞菩薩の『註論』(論註)を披閲するに言わく、「夫れ菩薩は仏に帰す。孝子の父母に帰し、忠臣の君后に帰して、動静、己に非ず、出没、必ず由あるが如し。恩を知りて徳を報ず。理、宜しく先ず啓すべし」と。取要

 仏恩の深重なることを信知して、「念仏正信偈」を作りて曰わく、
西方不可思議尊、法蔵菩薩因位の中に、殊勝の本弘誓を超発し、無上大悲の願を建立せり。
思惟摂取するに五劫を経たり。菩提妙果、上の願に酬えたり。
本誓を満足するに十劫を歴たり。寿命延長、能く量ること莫し。
慈悲深遠にして虚空の如し。智慧円満して巨海の如し。
清浄微妙無辺の刹にして、広大の荘厳、等しく具足せり。

漢文

鈔出師釈、専念無上尊、特報広大恩。


信知仏恩深重、作念仏正信偈曰、
西方不可思議尊 法蔵菩薩因位中
超発殊勝本弘誓 建立無上大悲願
思惟摂取経五劫 菩提妙果酬上願
満足本誓歴十劫 寿命延長莫能量
慈悲深遠如虚空 智慧円満如巨海
清浄微妙無辺刹 広大荘厳等具足