巻次 - 493頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 主(天親)、何を以ての故に「一心」と言うや。 答う。愚鈍の衆生、覚知易からしめんが為の故に、論主、三を合して一と為したまうか。 「三心」と言うは、一には至心、二には信楽、三には欲生なり。私に字訓を以て、『論』(浄土論)の意を闚うに、三を合して一とすべし。其の意、何んとなれば、一には「至心」。「至」というは、真なり、誠なり。「心」というは、種なり、実なり。二には「信楽」。「信」とは、真なり、実なり、誠なり、満なり、極なり、成なり、用なり、重なり、審なり、験なり。「楽」というは、欲なり、願なり、慶なり、喜なり、楽なり。三には「欲生」。「欲」というは、願なり、楽なり、覚なり、知なり。「生」というは、成なり、興なり。 爾れば、「至心」は即ち是れ誠種真実の心なり。 漢文 一心。答。愚鈍衆生、覚知為令易故、論主合三為一歟。言三心者、一者至心、二者信楽、三者欲生。私以字訓、闚『論』意、合三応一。其意何者、一者至心。至者真・誠。心者種・実。二者信楽。信者真・実・誠・満・極・成・用・重・審・験。楽者欲・願・慶・喜・楽。三者欲生。欲者願・楽・覚・知。生者成・興也。爾者至心即是誠種真実之心。故無有疑 紙面画像を印刷 前のページ p493 次のページ 初版p414・415へ このページの先頭に戻る