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浄土
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(11)至心発願欲生と

十方衆生を方便し
衆善の仮門ひらきてぞ
現其人前と願じける

(12)臨終現前の願により

釈迦は諸善をことごとく
観経一部にあらわして
定散諸機をすすめけり

(13)諸善万行ことごとく

至心発願せるゆえに
往生浄土の方便の
善とならぬはなかりけり

(14)至心回向欲生と

十方衆生を方便し
名号の真門ひらきてぞ
不果遂者と願じける

(15)果遂の願によりてこそ

釈迦は善本徳本を
弥陀経にあらわして
一乗の機をすすめける

(16)定散自力の称名は

果遂のちかいに帰してこそ
おしえざれども自然に
真如の門に転入する

(17)安楽浄土をねがいつつ

他力の信をえぬひとは
仏智不思議をうたがいて
辺地懈慢にとまるなり

(18)如来の興世にあいがたく

諸仏の経道ききがたし
菩薩の勝法きくことも
無量劫にもまれらなり