巻次
高僧
592頁
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(1)本師曇鸞和尚は

菩提流支のおしえにて
仙経ながくやきすてて
浄土にふかく帰せしめき

(2)四論の講説さしおきて

本願他力をときたまい
具縛の凡衆をみちびきて
涅槃のかどにぞいらしめし

(3)世俗の君子幸臨し

勅して浄土のゆえをとう
十方仏国浄土なり
なにによりてか西にある

(4)鸞師こたえてのたまわく

わが身は智慧あさくして
いまだ地位にいらざれば
念力ひとしくおよばれず

(5)一切道俗もろともに

帰すべきところぞさらになき
安楽勧帰のこころざし
鸞師ひとりさだめたり

(6)魏の主勅して幷州の

大巌寺にぞおわしける
ようやくおわりにのぞみては
汾州にうつりたまいにき

(7)魏の天子はとうとみて

神鸞とこそ号せしか
おわせしところのその名をば
鸞公巌とぞなづけたる

(8)浄業さかりにすすめつつ

玄忠寺にぞおわしける
魏の興和四年に
遙山寺にこそうつりしか