巻次
高僧
602頁
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本師釈迦のちからなり
長時に慈恩を報ずべし

已上善導大師


源信大師 釈文に付けて 十首
(1)源信和尚ののたまわく

われこれ故仏とあらわれて
化縁すでにつきぬれば
本土にかえるとしめしけり

(2)本師源信ねんごろに

一代仏教のそのなかに
念仏一門ひらきてぞ
濁世末代おしえける

(3)霊山聴衆とおわしける

源信僧都のおしえには
報化二土をおしえてぞ
専雑の得失さだめたる

(4)本師源信和尚は

懐感禅師の釈により
処胎経をひらきてぞ
懈慢界をばあらわせる

(5)専修のひとをほむるには

千無一失とおしえたり
雑修のひとをきらうには
万不一生とのべたまう

(6)報の浄土の往生は

おおからずとぞあらわせる
化土にうまるる衆生をば
すくなからずとおしえたり

(7)男女貴賤ことごとく

弥陀の名号称するに
行住座臥もえらばれず