巻次 巻下 64頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 意、微し相憎嫉すれば、後世には転た劇しく大怨と成るに至る。所以は何んとなれば、世間の事、更るがわる相患害す。即ちの時に急やかに相破すべからずと雖も、然も毒を含み怒を畜え、憤を精神に結びて、自然に剋識して相離るることを得ず、皆当に対生して更るがわる相報復すべし。人、世間の愛欲の中に在りて、独り生じ独り死し独り去り独り来たりて、行に当たり苦楽の地に至り趣く。身、自ら之を当くるに、有も代わる者無し。善悪変化して、殃福、処異なり、宿予め厳待して、当に独り趣入すべし。遠く他所に到りぬれば、能く見る者莫し。善悪自然にして行を追うて生ずる所なり。窈窈冥冥として、別離、久しく長し。道路同じからずして、会い見ること、期無し。甚だ難し、甚だ難し。復た相値うことを得んや。何ぞ衆事を棄てざらん。各おの強健の時に曼んで、努力修善を勤めて精進して度世を願え。極めて長生を得べし。如何ぞ道を求めざらん。安所ぞ待つべき。何の楽しみをか欲わんや。 漢文 相破。然含毒畜怒。結憤精神。自然剋識。不得相離。皆当対生◦更相報復。人在世間◦愛欲之中。独生独死。独去独来。当行至趣◦苦楽之地。身自当之。無有代者。善悪変化。殃福異処。宿予厳待。当独趣入。遠到他所。莫能見者。善悪自然。追行所生。窈窈冥冥。別離久長。道路不同。会見無期。甚難甚難。復得相値。何不棄衆事。各曼強健時。努力勤修善。精進願度世。可得極長生。如何不求道。安所須待。欲何楽哉。如是世人。不信作善得善◦為道得道。不信人死更生◦恵施得福。善悪之事。都不信之。謂之不然。終無有是。但坐此故。且自見之。更相瞻視。先後同然。転相 紙面画像を印刷 前のページ p64 次のページ 初版p59・60へ このページの先頭に戻る