巻次 巻下 65頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 是くの如く、世人、善を作して善を得、道を為して道を得ることを信ぜず。人、死して更りて生まれ、恵施して福を得ることを信ぜず。善悪の事、都て之を信ぜず。之を然らずと謂えり。終に是すること有ること無し。但此れを坐する故に、且つ自ら之を見れば、更るがわる相瞻視して、先後同じく然なり。転た相承受するに、父、教令を余す。先人・祖父、素より善を為さず、道徳を識らず。身愚かに神闇く、心塞り意閉じて、死生の趣、善悪の道、自ら見ること能わず。語る者有ること無し。吉凶禍福、競いて各おの之を作す。一も怪しむもの無きなり。生死の常の道、転た相嗣ぎ立つ。或いは父は子を哭し、或いは子、父を哭す。兄弟・夫婦、更るがわる相哭泣す。顚倒上下して無常の根本なり。皆過去に当く。常に保つべからず。教語開導すれども、之を信ずる者は少なし。是を以て生死流転し、休止すること有ること無し。此くの如きの人、矇冥抵突して経法を信ぜず。心に遠き慮無し。各おの意を快くせ 漢文 承受。父余教令。先人祖父。素不為善。不識道徳。身愚神闇。心塞意閉。死生之趣。善悪之道。自不能見。無有語者。吉凶禍福。競各作之。無一怪也。生死常道。転相嗣立。或父哭子。或子哭父。兄弟夫婦。更相哭泣。顚倒上下。無常根本。皆当過去。不可常保。教語開導。信之者少。是以生死流転。無有休止。如此之人。矇冥抵突。不信経法。心無遠慮。各欲快意。痴惑於愛欲。不達於道徳。迷没於瞋怒。貪狼於財色。坐之不得道。当更悪趣苦。生死無窮已。哀哉甚可傷。或時室家父子。兄弟夫婦。一死一生。更相哀愍。恩愛思慕。憂念結縛。心意痛著。迭相顧恋。窮日 紙面画像を印刷 前のページ p65 次のページ 初版p60・61へ このページの先頭に戻る