巻次
-
747頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
画像情報
画像情報
本文

御消息拾遺

(一) このえん仏ぼうくだられ候う。こころざしのふかく候うゆえに、ぬしなどにもしられ申さずして、のぼられて候うぞ。こころにいれてぬしなどにもおおせられ候うべく候う。この十日のよ、じょうもうにおうて候う。この御ぼう、よくよくたずね候いて候うなり。こころざし、ありがたきように候うぞ。さだめてこのようは申され候わんずらん。よくよくきかせ給うべく候う。なにごともなにごとも、いそがしさにくわしゅう申さず候う。あなかしこ、あなかしこ。

十二月十五日     (花押)

真仏御房へ

(二) 閏十月一日の御文、たしかにみ候う。かくねんぼうの御事、かたがたあわれに存じ候う。親鸞はさきだちまいらせ候わんずらんと、まちまいらせてこそ候いつるに、さきだたせ給い候う事、申すばかりなく候う。かくしんぼう、ふるとしごろは、かならずかならずさきだちてまたせ給い候うらん。かならずかならずまいりあうべく候えば、申すにおよばず候う。かくねんぼうのおおせられて候うよう、すこしも愚老にかわらずおわしまし候えば、かならずかならず一ところへまいりあうべく候う。明年の十月のころまでも、いきて候わば、このよの面謁、うたがいなく