巻次
巻下
84頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
漢文
画像情報
画像情報
本文

の如く悤務して未だ嘗にも寧ろ息まず。吾、汝等、天・人の類を哀みて苦心に誨喩して教えて善を修せしむ。器に随いて開導して経法を授与するに、承用せざること莫し。意の所願に在りて皆道を得しむ。仏の遊履したまう所の国邑丘聚、化を蒙らざるは靡し。天下和順し日月清明にして、風雨、時を以てし、災厲起こらず。国豊かに民安し。兵戈、用いること無し。徳を崇め仁を興し、務、礼譲を修す。」 仏の言わく、「我、汝等、諸天・人民を哀愍すること父母の子を念うよりも甚だし。今我、此の世間に於いて作仏して、五悪を降化し、五痛を消除し、五焼を絶滅す。善を以て悪を改め、生死の苦を抜きて五徳を獲、無為の安に昇らしめん。吾、世を去りて後、経道漸く滅し人民諂偽ならん。復た衆悪を為らん。五焼、五痛、還りて前の法の如くならん。久しくして後、転た劇しからん。悉く説くべからず。我但し汝が為に略して之を言うまくのみ」と。 仏、弥勒に語りたまわく、「汝等各おの善く之を思いて転た

漢文

経法。莫不承用。在意所願。皆令得道。仏所遊履。国邑丘聚。靡不蒙化。天下和順。日月清明。風雨以時。災厲不起。国豊民安。兵戈無用。崇徳興仁。務修礼譲。仏言我哀愍◦汝等諸天人民。甚於父母念子。今我於此世間作仏。降化五悪。消除五痛。絶滅五焼。以善改悪。抜生死之苦。令獲五徳◦昇無為之安。吾去世後。経道漸滅。人民諂偽。復為衆悪。五焼五痛。還如前法。久後転劇。不可悉説。我但為汝。略言之耳。仏語弥勒。汝等各善思之。転相教誡。如仏経法。無得犯也。於是弥勒菩薩。合掌白言。仏所説甚苦。世人実爾。如来普慈哀愍。悉令度脱。受仏重誨。