巻次
第四帖
992頁
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 一 在々所々において、当流にさらに沙汰せざる、めずらしき法門を讃嘆し、おなじく宗義になきおもしろき名目なんどをつかう人、これおおし。もってのほかの僻案なり。自今已後、かたく停止すべきものなり。
 一 この七か日報恩講中においては、一人ものこらず信心未定のともがらは、心中をはばからず改悔懺悔の心をおこして、真実信心を獲得すべきものなり。
 一 もとより我が安心のおもむき、いまだ決定せしむる分もなきあいだ、その不審をいたすべきところに、心中につつみて、ありのままにかたらざるたぐいあるべし。これをせめあいたずぬるところに、ありのままに心中をかたらずして、当場をいいぬけんとする人のみなり。勿体なき次第なり。心中をのこさずかたりて、真実信心にもとづくべきものなり。
 一 近年仏法の棟梁たる坊主達、我が信心はきわめて不足にて、結句、門徒・同朋は信心は決定するあいだ、坊主の信心不足のよしをもうせば、もってのほか腹立せしむる条、言語道断の次第なり。已後においては、師弟ともに一味の安心に住すべき事。
 一 坊主分の人、ちかごろはことのほか重坏のよし、そのきこえあり。言語道断しかるべからざる次第なり。あながちに、酒をのむ人を停止せよというにはあらず。仏法につけ、門徒につけ、重坏なれば、かならず、ややもすれば酔狂のみ出来せしむるあいだ、しかるべからず。さあらんときは、坊主分は停止せられても、まことに興隆仏法ともいいつべきか。しからずは、一盞にてもし