巻次 - 1040頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 (66)一 慶聞坊のいわれ候う。「信はなくてまぎれまわると、日に日に地獄がちかくなる。まぎれまわるあらわれは、地獄がちかくなるなり。うちみは、信・不信みえずそうろう。とおく、いのちをもたずして、今日ばかりとおもえ」と、ふるきこころざしのひと、もうされそうろう。(67)一 一度のちがいが一期のちがいなり。一度のたしなみが一期のたしなみなり。そのゆえは、そのままいのちおわれば、一期のちがいになるによりてなり。(68)一 「今日ばかり おもうこころを わするなよ さなきはいとど のぞみおおきに」覚如様御歌(69)一 蓮如上人、仰せられ候う。「本尊は掛けやぶれ、聖教はよみやぶれ」と、対句に仰せられ候う。(70)一 他流には、「名号よりは絵像、絵像よりは木像」と云うなり。当流には、「木像よりはえぞう、絵像よりは名号」というなり。(71)一 御本寺北殿(野村御坊)にて、法敬坊に対して、蓮如上人、仰せられ候う。「われ、何事をも、当機をかがみおぼしめし、十あるものを一つにするように、かろがろと理のやがて叶う様に、御沙汰候う。是れを人が勘えぬ」と仰せられ候う。『御文』等をも、近年は御ことばすくなにあそばされ候う。今は、ものを聞くうちにも退屈し、物を聞きおとす間、肝要のことを、やがてしり候うようにあそばされ候うの由、仰せられ候う。(72)一 法印兼縁(本泉寺蓮悟)、幼少の時、二俣にて、あまた小名号を申し入れ候う時、「信心やあ 紙面画像を印刷 前のページ p1040 次のページ 初版p867・868へ このページの先頭に戻る