巻次 - 1048頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 て、人になおされ候わでは、心得のなおること、あるべからず。まきたては、信をとることあるべからず」と仰せられ候うと云々(108)一 何ともして、人になおされ候うように、心中を持つべし。わが心中をば、同行の中へうちいでおくべし。下としたる人のいうことをば、必ず用いざれば、腹立するなり。あさましきことなり。ただ、人になおさるるように、心中を持つべき義に候う。(109)一 人の、前々住上人(蓮如)へ申され候う。「一念の処、決定にて候う。ややもすれば、善知識の御ことを、おろそかに存じ候う」由、申され候えば、仰せられ候う。「最も、信のうえは、崇仰の心あるべきなり。さりながら、凡夫心にてはなきか。かようの心中のおこらん時は、勿体なき事とおもいすつべし」と仰せられしと云々(110)一 蓮如上人、兼縁に対せられ、仰せられ候う。「たとい木の皮をきるいろめなりとも、なわびそ。弥陀をたのむ一念をよろこぶべき」由、仰せられ候う。(111)一 前々住上人、仰せられ候う。「上下老若によらず、後生は油断にてしそんずべき」の由、仰せられ候う。(112)一 前々住上人、御口のうちを御煩い候うに、おりふし、「ああ」と、御目をふさがれ、仰せられ候う。さだめて御口中御煩いと、皆々存じ候う処に、ややありて仰せられ候う。「人の信のなきことを思し召せば、身をきりさくようにかなしきよ」と仰せられ候う由に候う。 紙面画像を印刷 前のページ p1048 次のページ 初版p875・876へ このページの先頭に戻る