巻次
-
1050頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
画像情報
画像情報
本文

しなわれて、又、あたらしく法を仰せられ候う。誠に、善巧方便、ありがたき事なり。
(119)一 天王寺土塔会、前々住上人(蓮如)、御覧候いて、仰せられ候う。「あれほど多き人ども、地獄へおつべしと、不便に思し召し候いつる」由、仰せられ候う。又、「その中に、御門徒の人は、仏になるべし」と仰せられ候う。これ又、ありがたき仰せにて候う。
(120)一 前々住上人、御法談已後、仰せられ候う。四、五人の御兄弟へ仰せられ候う。「四、五人の衆、寄り合い談合せよ。必ず五人は五人ながら意巧にきく物なり。能く能く談合すべき」の由、仰せられ候う。
(121)一 たといなき事なりとも、人申し候わば、当座に領掌すべし。当座に詞を返せば、ふたたびいわざるなり。人のいう事をば、ただふかく用心すべきなり。是れに付きて、ある人、「相たがいに、あしき事を申すべし」と契約候いし処に、則ち、一人の、あしきさまなること申しければ、「左様に存じつれども、人の申す間、左様に候う」と申す。されば、此の返答あしきとの事に候う。さなきことなりとも、当座は、「さぞ」と申すべき事なり。
(122)一 一宗の繁昌と申すは、人の多くあつまり、威の大きなる事にてはなく候う。一人なりとも、人の、信を取るが、一宗の繁昌に候う。然れば、「専修正行の繁昌は、遺弟の念力より成ず」(式文)とあそばされおかれ候う。
(123)一 前々住上人、仰せられ候う。「「聴聞、心に入れて申さん」と思う人はあり、「信をとら