巻次 - 1070頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 な仕りそ」とこそ、あそばされ候え」と申され候うと云々(217)一 法敬坊に、或人、不審申され候う。「これほど仏法に御心をもいれられ候う法敬坊の尼公の不信なる、いかがの義に候う」由、人申し候えば、法敬坊、申され候う。「不審、さることなれども、これほど、朝夕、『御文』をよみ候うに、驚き申さぬ心中が、なにか法敬が申し分にて聞き入れ候うべき」と申され候うと云々(218)一 順誓、申され候う。「仏法の物語申すに、かげにて申し候う段は、なにたるわろき事をか申すべきと存じ、脇より汗たり申し候う。前々住上人(蓮如)、聞こし召す所にて、申す時は、わろき事をば、やがて御なおしあるべきと存じ候うあいだ、心安く存じ候いて、物をも申さるる」由に候う。(219)一 「信のうえには、さのみわろき事は有るまじく候う。或いは、人の云い候うなどとて、あしき事などは、あるまじく候う。今度、生死の結句をきりて、安楽に生ぜんと思わん人、いかんとして、あしきさまなる事をすべきや」と仰せられ候う。(220)一 信をば得ずして、よろこび候わんと思うこと、たとえば、糸にて物をぬうに、あとをそのままにてぬえば、ぬけ候うように、悦び候わんとも、信をえぬは、いたずらごとなり。「よろこべ。たすけたまわん」と仰せられ候うことにてもなく候う。たのむ衆生をたすけたまわんとの本願にて候う。 紙面画像を印刷 前のページ p1070 次のページ 初版p895・896へ このページの先頭に戻る