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 八に曰わく、群卿・百寮、早く朝りて晏く退でよ。公の事、盬靡し。終日に尽くし難し。是を以て、遅く朝るときは急きに逮ばず、早く退でるときは必ず事尽きず。
 九に曰わく、信は是れ義の本なり。事毎に信有るべし。其れ、善さ・悪しさ、成り・敗らぬこと、要ず信に在り。群臣、共に信あらば、何事か成らざらん。群臣、信無くは、万の事、悉くに敗れなん。
 十に曰わく、忿を絶ち、瞋を棄て、人の違うを怒らざれ。人皆、心有り。心各おの執れること有り。彼是すれば則ち我は非す。我是すれば則ち彼は非す。我、必ず聖に非ず。彼、必ず愚かなるに非ず。共に是れ凡夫ならくのみ。是・非の理、詎か能く定むべけん。相共に賢く愚かなること、鐶の端無きが如し。是を以て、彼人、瞋ると雖も、還りて我が失を恐れよ。我独り得たりと雖も、衆に従いて同じく挙え。
 十一に曰わく、明らかに功・過を察て、賞・罰、必ず当てよ。日者、賞は功に在いてせず、罰は罪に在いてせず。事を執れる群卿、宜しく賞・罰を明らむべし。
 十二に曰わく、国司・国造、百姓に斂とらざれ。国に二の君非ず。民に両の主無し。率土の兆民は、王を以て主とす。所任せる官司は、皆是れ王の臣なり。何をもって敢えて公と百姓に賦斂とらん。
 十三に曰わく、諸の官に任せる者、同じく職掌を知れ。或いは病し、或いは使とて、事を