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 (第六・離菩提障)菩薩、是くの如く善く回向成就を知りて、即ち能く三種の菩提門相違の法を遠離すべし。何等か三種。
 一には智恵門に依りて自楽を求めず。我が心、自身に貪着することを遠離するが故に。
 二には慈悲門に依りて一切衆生の苦を抜く。無安衆生心を遠離するが故に。
 三には方便門に依りて一切衆生を憐愍して、心、自身を供養し恭敬する心を遠離せるが故に。是れを「三種の菩提門相違の法を遠離す」と名づく。
 (第七・順菩提門)菩薩、是くの如き三種の菩提門相違の法を遠離して、三種の随順菩提門の法満足することを得るが故に。何等か三種。
 一には無染清浄心、自身の為に諸楽を求めざるを以ての故に。
 二には安清浄心、一切衆生の苦を抜くを以ての故に。
 三には楽清浄心、一切衆生をして大菩提を得しむるを以ての故に。衆生を摂取して彼の国土に生ぜしむるを以ての故に。是れを「三種の随順菩提門の法満足す」と名づく。知るべし。
 (第八・名義摂対)向に説きつる智恵と慈悲と方便との三種の門をして般若を摂取す。般若、方便を摂取す。知るべし。
 向に遠離我心不貪着自身・遠離無安衆生心・遠離供養恭敬自身心を説きつ。此の三種の法は、障菩提心を遠離するなり。知るべし。