巻次 信 289頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 法として是くの如くなるべし。父兄を殺すと雖も、実に罪有ること無けん。出家の法は、乃至蚊蟻殺する、亦罪有り。乃至 王の言う所の如し、「世に良医の身心を治する者無けん」と。今、大師有り。「末伽梨〓【ku_a】賖梨子」と名づく。一切知見して、衆生を憐愍すること赤子の猶如し。已に煩悩を離れて、能く衆生の三毒の利箭を抜くと。乃至 是の師、今、王舎大城に在す。惟願わくは大王、其の所に往至して、王、若し見ば、衆罪消滅せん」と。 時に王答えて言わく、「審らかに能く是くの如き我が罪を滅除せば、我、当に帰依すべし」と。 復た一の臣有り、名づけて「実徳」と曰う。復た王の所に到りて即ち偈を説きて言さく、「大王。何が故ぞ身の瓔珞を脱ぎ、首の髪蓬乱せる。乃至是くの如きなるやと。乃至 是れ心痛とやせん、身痛とやせん。」 王即ち答えて言わく、「我今、身心、豈に痛まざることを得んや。我が父先王、慈愛仁惻して、特に見て矜念せり。実に辜無きに、往きて相師に問う。相師答えて言わく、「是の児、生まれ已りて、定んで当に父を害すべし」と。是の語を聞くと雖も、猶見て瞻養す。曾、智者の、是くの如きの言を作ししを聞きき。「若し人、通の母と、及び比丘尼を汚し、僧祇物を偸み、無上菩提心を発せる人を殺し、及び其の父を殺せん。是くの如きの人は、必定して当に阿鼻地獄に堕すべし」と。我今、 紙面画像を印刷 前のページ p289 次のページ 初版p254・255へ このページの先頭に戻る