巻次 信 300頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 声と謂えり。有智の人は、其れ真に非ずと知れり。殺も亦是くの如し。凡夫は実と謂えり。諸仏世尊は、其れ真に非ずと知ろしめせり。大王。人の怨有るが詐り来たりて親附するが如し。愚痴の人は、謂うて実に親しむとす。智者は了達して、乃ち其れ虚しく詐れりと知る。殺も亦是くの如し。凡夫は実と謂う。諸仏世尊は、其れ真に非ずと知ろしめせり。大王。人、鏡を執りて自ら面像を見るが如し。愚痴の人は、謂うて真の面とす。智者は了達して、其れ真に非ずと知れり。殺も亦是くの如し。凡夫は実と謂う。諸仏世尊は、其れ真に非ずと知ろしめせり。大王。熱の時の炎の如し。愚痴の人は、之は是れ水と謂わん。智者は了達して、其れ水に非ずと知らん。殺も亦是くの如し。凡夫は実と謂わん。諸仏世尊は、其れ真に非ずと知ろしめせり。大王。乾闥婆城の如し。愚痴の人は、謂うて真実とす。智者は了達して、其れ真に非ずと知れり。殺も亦是くの如し。凡夫は実と謂えり。諸仏世尊は、其れ真に非ずと了知ろしめたまえり。大王。人の、夢の中に五欲の楽を受くるが如し。愚痴の人は、之を謂うて実とす。智者は了達して、其れ真に非ずと知れり。殺も亦是くの如し。凡夫は実と謂えり。諸仏世尊は、其れ真に非ずと知ろしめせり。 大王。殺法・殺業・殺者・殺果及以び解脱、我、皆、之を了れり。則ち罪有ること無けん。王、殺を知ると雖も云何ぞ罪有らんや。大王。譬えば、人主有りて、酒を典れりと知れども、如し其れ飲まざれば則ち亦酔わざるが如し。復た火と知ると雖も焼燃せず。王も亦是くの如し。復た殺を知ると雖も云何ぞ罪有らんや。大王。諸の衆生有りて、日の出ずる時に於いて種種の罪を作る。 紙面画像を印刷 前のページ p300 次のページ 初版p263・264へ このページの先頭に戻る