巻次
真仏土
368頁
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莫けん。故に仏を又「難思光」と号す。十方諸仏、往生を嘆じ、其の功徳を称せしむ。故に稽首したてまつる。神光は相を離れたること、名づくべからず。故に仏を又「無称光」と号す。光に因りて成仏したまう。光、赫然たり。諸仏の嘆じたまう所なり。故に頂礼したてまつる。光明照曜して日月に過ぎたり。故に仏を「超日月光」と号す。釈迦仏、嘆じたまうこと尚尽きず。故に我、無等等を稽首したてまつると。乃至
 本師龍樹摩訶薩、形像を誕ず。始めて頽綱〔「頽」の字 崩なり。破なり。落なり。纏なり。〕を理る。邪扇を関閉して正轍〔「轍」の字 直刹の反。通なり。車なり。跡なり。〕を開く。是れ閻浮提の一切の眼なり。尊語を伏承して、歓喜地にして阿弥陀に帰して安楽に生ぜしむ。我、無始より三界に循りて虚妄輪の為に回転せらる。一念・一時に造る所の業足、六道に繫がれ三塗に滞まる。唯願わくは、慈光、我を護念して、我をして菩提心を失せざらしめたまえ。我、仏恵功徳の音を讃ず。願わくは、十方の諸の有縁に聞かしめて、安楽に往生することを得んと欲わん者、普く皆、意の如くして障碍無からしめん。有らゆる功徳、若しは大小、一切に回施して、共に往生せしめん。不可思議光に南無し、一心に帰命し稽首し礼したてまつる。十方三世の無量慧、同じく一如に乗じて「正覚」と号す。二智円満して道平等なり。摂化すること、縁に随う。故に若干ならん。我、阿弥陀の浄土に帰するは、即ち是れ諸仏の国を帰命するなり。我、一心を以て一仏を賛ず。願わくは、十方無碍人に遍ぜん。是くの如き十方無量仏、咸く各おの、心を至して頭面に礼したてまつるなり」と。已上抄出