巻次
化末
446頁
表示設定
ブックマーク
表示設定
文字サイズ
書体
  • ゴシック
  • 明朝
カラー
テキスト情報
本文
画像情報
画像情報
本文

天神等、差別して、願じて、仏、分布せしめたまえり。
衆生を憐愍せんが故に、正法の燈を熾然ならしむ。

 爾の時に仏、月蔵菩薩摩訶薩に告げて言わく、「清浄士を了知するに、此の賢劫の初め人寿四万歳の時、鳩留孫仏、世に出興したまいき。彼の仏、無量阿僧祇億那由他百千の衆生の為に、生死に回して正法輪を輪転せしむ。追うて悪道に回して、善道及び解脱の果を安置せしむ。彼の仏、此の四大天下を以て、娑婆世界の主大梵天王・他化自在天王・化楽天王・兜率陀天王・須夜摩天王等に付嘱せしむ。護持の故に、養育の故に、衆生を憐陀の故に、三宝の種、断絶せざらしめんが故に、熾然ならんが故に、地の精気・衆生の精気・正法の精気、久しく住せしめ増長せんが故に、諸の衆生をして三悪道を休息せしめんが故に、三善道に趣向せんが故に、四天下を以て大梵及び諸天王に付嘱せしむ。
 是くの如き漸次に、劫尽き、諸天人尽き、一切善業・白法尽滅して、大悪・諸の煩悩溺を増長せん。人寿三万歳の時、拘那含牟尼仏、世に出興したまわん。彼の仏、此の四大天下を以て、娑婆世界主大梵天王・他化自在天王、乃至四大天王及び諸の眷属に付嘱したまう。護持養育の故に、乃至、一切衆生をして三悪道を休息して三善道に趣向せしめんが故に、此の四天下を以て大梵及び諸天王に付嘱したまう。
 是くの如き次第に、劫尽き、諸天人尽き、白法亦尽きて、大悪・諸の煩悩溺を増長せん。人