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和国の有情をあわれみて
如来の悲願を弘宣せり
慶喜奉讃せしむべし

(10)多生曠劫この世まで

あわれみかぶれるこの身なり
一心帰命たえずして
奉讃ひまなくこのむべし

(11)聖徳皇のおあわれみに

護持養育たえずして
如来二種の回向に
すすめいれしめおわします

已上聖徳奉讃

十一首


愚禿悲歎述懐
(1)浄土真宗に帰すれども

真実の心はありがたし
虚仮不実のわが身にて
清浄の心もさらになし

(2)外儀のすがたはひとごとに

賢善精進現ぜしむ
貪瞋邪偽おおきゆえ
姧詐ももはし身にみてり

(3)悪性さらにやめがたし

こころは蛇蝎のごとくなり
修善も雑毒なるゆえに
虚仮の行とぞなづけたる

(4)無慙無愧のこの身にて

まことのこころはなけれども
弥陀の回向の御名なれば
功徳は十方にみちたまう

(5)小慈小悲もなき身にて