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いやしきものとさだめたる

(13)無戒名字の比丘なれど

末法濁世の世となりて
舎利弗目連にひとしくて
供養恭敬をすすめしむ

(14)罪業もとよりかたちなし

妄想顚倒のなせるなり
心性もとよりきよけれど
この世はまことのひとぞなき

(15)末法悪世のかなしみは

南都北嶺の仏法者の
輿かく僧達力者法師
高位をもてなす名としたり

(16)仏法あなずるしるしには

比丘比丘尼を奴婢として
法師僧徒のとうとさも
僕従ものの名としたり

已上十六首 これは愚禿がかなしみなげきにして述懐としたり。この世の本寺・本山のいみじき僧ともうすも、法師ともうすも、うきことなり。


釈の親鸞、之を書く。

(1)善光寺の如来の

われらをあわれみましまして
なにわのうらにきたります
御名をもしらぬ守屋にて

(2)そのときほとおりけともうしける

疫癘あるいはこのゆえと
守屋がたぐいはみなともに
ほとおりけとぞもうしける

(3)やすくすすめんためにとて