巻次 末 647頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 「夫根有利鈍者 教有漸頓 機有奢促者 行有難易 当知 聖道諸門 漸教也 又難行也 浄土一宗者 頓教也 又易行也 所謂真言止観之行 獮猴情難学 三論法相之教 牛羊眼易迷 然至我宗者 弥陀本願 定行因於十念 善導料簡 決器量於三心 雖非利智精進 専念実易勤 雖非多聞広学 信力何不備 乃至 然我大師聖人 為釈尊之使者 弘念仏一門 為善導之再誕 勧称名一行 専修専念之行 自此漸弘 無間無余之勤 在今始知 然則破戒罪根之輩 加肩入往生之道 下智浅才之類 振臂赴浄土之門 誠知 無明長夜之大燈炬也 何悲智眼闇 生死大海之大船筏也 豈煩業障重」略抄 「夫根有利鈍者」というは、それ衆生の根性に利鈍ありとなり。「利」というは、こころのとき人なり。「鈍」というは、こころのにぶき人なり。「教有漸頓」というは、衆生の根性にしたごうて仏教に漸頓ありとなり。「漸」は、ようやく仏道を修して、三祇百大劫をへて仏になるなり。「頓」は、この娑婆世界にして、このみにてたちまちに仏になるともうすなり。これすなわち仏心・真言・法華・華厳等のさとりをひらくなり。「機有奢促者」というは、機に奢促あり。「奢」は、おそきこころなるものあり。「促」は、ときこころなるものあり。このゆえに「行有難易」というは、行につきて難あり、易ありとなり。「難」は、聖道門、自力の行なり。「易」は、浄土門、他力の行なり。「当知 聖道諸門 漸教也」というは、すなわち難行なり、また漸教なりとしるべしとなり。「浄土一宗者」というは、頓教なり、また易行なりとしるべしとなり。「所謂真言止観之行」と 紙面画像を印刷 前のページ p647 次のページ 初版p528・529へ このページの先頭に戻る