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行者のはからいにあらず。もとより不可思議の利益にあずかること、自然のありさまともうすことをしらしむるを、法則とはいうなり。一念信心をうるひとのありさまの自然なることをあらわすを、法則とはもうすなり。
 『経』(大経)に「無諸邪聚 及不定聚」というは、「無」は、なしという。「諸」は、よろずのことということばなり。「邪聚」というは、雑行雑修・万善諸行のひと、報土にはなければなりというなり。「及」は、およぶという。「不定聚」は、自力の念仏、疑惑の念仏の人は、報土になしというなり。正定聚の人のみ真実報土にうまるればなり。
 この文どもはこれ、一念の証文なり。おもうほどはあらわしもうさず。これにておしはからせたまうべきなり。

多念をひがごととおもうまじき事

 本願の文に「乃至十念」(同)とちかいたまえり。すでに「十念」とちかいたまえるにてしるべ