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与う。恣に所為を聴して、其の罪の極まるを待つ。其の寿未だ尽きざるに、便ち頓ちに之を奪う。悪道に下り入りて、累世に勤苦す。其の中に展転して数千億劫なり。出ずる期有ること無し。痛言うべからず。甚だ哀愍すべし。」
 仏、弥勒菩薩・諸天人等に告げたまわく、「我今、汝に世間の事を語る。人、是れを用ての故に、坐して道を得ず。当に熟つら思い計りて衆悪を遠離すべし。其の善の者を択んで、勤めて之を行ぜよ。愛欲栄華、常に保つべからず。皆当に別離すべし。楽しむべき者無し。仏の在世に曼い、当に勤めて精進すべし。其れ心を至して安楽国に生まれんと願ずること有る者は、智慧明達し功徳殊勝なることを得べし。心の所欲に随いて経戒を虧負して、人の後に在ることを得ること勿れ。儻し疑の意有りて経を解らざる者は、具に仏に問いたてまつるべし。当に為に之を説くべし。」
 弥勒菩薩、長跪して白して言わく、「仏は威神尊重にして、説きたまう所、快く善し。仏の経語を聴きたまえて、

漢文

仏告弥勒菩薩◦諸天人等。我今語汝世間之事。人用是故。坐不得道。当熟思計◦遠離衆悪。択其善者。勤而行之。愛欲栄華。不可常保。皆当別離。無可楽者。曼仏在世。当勤精進。其有至心◦願生安楽国者。可得智慧明達◦功徳殊勝。勿得随心所欲◦虧負経戒◦在人後也。儻有疑意。不解経者。可具問仏。当為説之。弥勒菩薩。長跪白言。仏威神尊重。所説快善。聴仏経語。貫心思之。世人実爾。如仏所言。今仏慈愍。顕示大道。耳目開