巻次 - 687頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 親鸞聖人御消息集(広本)(一) かたがたよりの御こころざしのものども、かずのままに、たしかにたまわりてそうろう。明教坊ののぼられてそうろうこと、まことにありがたきことにそうろう。かたがたの御こころざし、もうしつくしがとうそうろう。明法の御坊の往生のこと、おどろきもうすべきにはあらねども、かえすがえすうれしゅうそうろう。鹿島・行方・奥郡、かようの往生ねがわせたまうひとびとの、みなの御よろこびにてそうろう。また、ひらつかの入道殿の御往生とききそうろうこそ、かえすがえす、もうすにかぎりなくおぼえそうらえ。めでたさ、もうしつくすべくもそうらわず。おのおの、いよいよみな、往生は一定とおぼしめすべし。 さりながらも、往生をねがわせたまうひとびとの御なかにも、御こころえぬことどももそうらいき。いまも、さのみこそそうろうらめとおぼえそうろう。京にも、こころえずして、ようようにまどいおうてそうろうめり。くにぐににも、おおくきこえそうろう。法然聖人の御弟子のなかにも、われはゆゆしき学生なんどとおもいたるひとびとも、この世には、みなようように法門もいいかえて、身もまどい、ひとをもまどわして、わずらいおうてそうろうなり。聖教のおしえをもみずしらぬ、おのおののようにおわしますひとびとは、往生にさわりなしとばかりいうをききて、 紙面画像を印刷 前のページ p687 次のページ 初版p560へ このページの先頭に戻る