巻次 - 697頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 なりあわせたまうべけれ。母・姉・妹なんど、ようようにもうさるることは、ふるごとにてそうろう。さればとて、念仏をとどめられそうらいしが、世にくせごとのおこりそうらいしかば、それにつけても、念仏をふかくたのみて、世のいのりにこころいれて、もうしあわせたまうべしとぞおぼえそうろう。 御文のよう、おおかたの陳状、よく御はからいどもそうらいけり。うれしくそうろう。詮じそうろうところは、御身にかぎらず、念仏もうさんひとびと、わが御身の料は、おぼしめさずとも、朝家の御ため、国民のために、念仏をもうしあわせたまいそうらわば、めでとうそうろうべし。往生を不定におぼしめさんひとは、まずわが身の往生をおぼしめして、御念仏そうろうべし。わが身の往生、一定とおぼしめさんひとは、仏の御恩をおぼしめさんに、御報恩のために、御念仏、こころにいれてもうして、世のなか安穏なれ、仏法ひろまれと、おぼしめすべしとぞおぼえそうろう。よくよく御案そうろうべし。このほかは、別の御はからい、あるべしとはおぼえずそうろう。なおなお、とく御くだりのそうろうこそ、うれしくそうらえ。よくよく御こころにいれて、往生一定とおもいさだめられそうらいなば、仏の御恩をおぼしめさんには、ことごとはそうろうべからず。御念仏こころにいれてもうさせたまうべしとおぼえそうろう。あなかしこ、あなかしこ。 紙面画像を印刷 前のページ p697 次のページ 初版p568・569へ このページの先頭に戻る