巻次 - 719頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 画像情報 画像情報 本文 ぎりともうし候えば、たのもしくおぼしめさるべく候うなり。このあわれさ、とうとさ、もうしつくしがたく候えば、とどめ候いぬ。いかにしてか、みずからこのことをもうし候うべきや。くわしくは、なおなおもうし候うべく候う。 このふみのようを、御まえにて、あしくもや候うとて、よみあげて候えば、「これにすぐべくも候わず。めでたく候う」と、おおせをかぶりて候うなり。ことに、覚信坊のところに、御なみだをながさせたまいて候うなり。よにあわれにおもわせたまいて候うなり。十月二十九日慶信御坊へ 蓮位(二) (二)の㋑(浄信の宗祖宛消息)一 無碍光如来の慈悲光明に摂取せられまいらせ候うゆえ、名号をとなえつつ、不退のくらいにいりさだまり候いなんには、このみのために、摂取不捨をはじめてたずぬべきにはあらずとおぼえられて候う。そのうえ、『華厳経』に、「聞此法歓喜 信心無疑者 速成無上道 与諸如来等」とおおせられて候う。また、第十七の願に「十方無量の諸仏にほめとなえられん」(大経)とおおせられて候う。また、願成就の文に、「十方恒沙の諸仏」(同)とおおせられて候うは、信心の人とこころえて候う。この人はすなわち、このよより如来とひとしとおぼえられ候う。このほかは、凡夫のはからいをば、もちいず候うなり。このようをこまかにおおせかぶり給うべく 紙面画像を印刷 前のページ p719 次のページ 初版p587・588へ このページの先頭に戻る