巻次 巻下 76頁 表示設定 ブックマーク 表示設定 文字サイズ あ あ あ 書体 ゴシック 明朝 カラー あ あ あ テキスト情報 本文 漢文 画像情報 画像情報 本文 妻を厭い憎みて、私かに妄りに入出す。家財を費損して、事、非法を為す。交結聚会して師を興して相伐つ。攻劫殺戮して強く奪いて不道なり。悪心、外に在りて自ら業を修せず。盗竊して趣かに得て、事を繫成せんと欲う。恐熱迫愶して妻子に帰給す。心を恣に意を快くす。身を極めて楽しみを作す。或いは親属にして尊卑を避らず。家室・中外、患えて之を苦しむ。亦復、王法の禁令をも畏れず。是くの如きの悪、人鬼に著さる。日月も照見し神明記識す。故に自然の三塗無量の苦悩有り。其の中に展転して世世累劫に出ずる期有ること無し。解脱を得難し。痛言うべからず。是れを三つの大悪、三つの痛、三つの焼とす。勤苦是くの如し。譬えば大火の、人の身を焚焼するが如し。人、能く中にして心を一つにし意を制し、身を端しくし行を正しくして、独り諸の善を作りて衆悪を為らざれば、身独り度脱して、其の福徳・度世・上天・泥洹の道を獲。是れを三つの大善とするなり。」 漢文 憎。私妄入出。費損家財。事為非法。交結聚会。興師相伐。攻劫殺戮。強奪不道。悪心在外。不自修業。盗竊趣得。欲繫成事。恐熱迫愶。帰給妻子。恣心快意。極身作楽。或於親属。不避尊卑。家室中外。患而苦之。亦復不畏◦王法禁令。如是之悪。著於人鬼。日月照見。神明記識。故有自然◦三塗無量苦悩。展転其中。世世累劫。無有出期。難得解脱。痛不可言。是為三大悪◦三痛三焼。勤苦如是。譬如大火◦焚焼人身。人能於中。一心制意。端身正行。独作諸善。不為衆悪者。身独度脱。獲其福徳◦度世上天◦泥洹之道。是為三大善也。 紙面画像を印刷 前のページ p76 次のページ 初版p70・71へ このページの先頭に戻る